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高齢者トラブルの実態!2020年度の相談内容から

独立行政法人国民生活センターによると、2020年度に全国の消費生活センター等に寄せられた相談のうち、契約当事者が60歳以上である相談の件数は、約34万件で、相談全体の41%でした。

契約当事者が60歳以上である相談の内容をみると、コロナ禍で通信販売の利用機会が増えたためか、通信販売に関する相談が増加し、過去最高の相談件数となりました。

具体的に、どんなトラブルが目立ったのでしょうか。

1.不審なメール

当選金を受け取れる手続きとして電子マネーを購入し個人情報を伝えてしまった。

→SMS(ショートメッセージサービス)のURLは、安易にクリックしないようにしましょう!

2.健康食品などの定期購入

定期購入のサプリを解約したいが、無料メッセージアプリの手続きがうまくいかない。

→サイト内の購入条件や返品・交換、解約のルールや解約方法を購入前に確認しましょう!

3.情報通信関係

固定電話をアナログ回線に戻すと料金が安くなると、家に来た業者に言われ応じた。

→本当に必要な契約でしょうか?契約内容や契約の相手がどこなのかなど、よく確認してから承諾しましょう。わからない場合は、その場で承諾せずきっぱりと断りましょう。

4.ご高齢の方は、訪問販売や電話勧誘に注意

母がトイレの水漏れ修理を業者に依頼したところ高額な便器の交換工事を勧められた。

→訪問販売や電話勧誘販売などの販売方法は、特定商取引法という法律で規制されており、クーリング・オフ制度などの消費者保護ルールがあります。

5.新型コロナウイルス感染症関連

海外から注文した覚えのないマスクが届いた。

→一方的に商品を送り付けられても、事業者に対して金銭を支払う義務はありません。代金の請求には応じないようにしましょう!

 

 

「自分は大丈夫!」、「ひっかかる人がおかしい!」、絶対に大丈夫なんてことはありません。日頃からいろいろな消費者トラブルについて知っておきましょう。

「最近、こんな電話がかかってきた」、「こんな業者が訪ねてきた」など、友人・知人と、情報を交換するのもよいですね。

周囲の方による見守りも非常に大切です。

不安に思った場合やトラブルになった場合は、消費生活センターに相談してください。

参考・相談事例・アドバイスの引用

インターネット通販の利用は、注文前にじっくり確認を!

近年、インターネット通販の利用が増えています。

総務省「家計消費状況調査」によると、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言による外出自粛要請の影響が大きく、2020年5月からネットショッピング利用世帯が初めて50%を超え、それ以降、50%前後を保っていることがわかります。

総務省「家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(二人以上の世帯)-2021年(令和3年)4月分結果-」より引用

インターネット通販の利用増加に伴い、消費生活相談も増えています。

「通信販売」に関する相談件数(PIO-NETによる販売購入形態別数調べ)

2020年度 2019年度 前年度比
奥能登広域消費生活センター
60件
37件
約62%増
石川県消費生活支援センター
1,316件
1,141件
約15%増

「インターネット通販」に関する相談件数(PIO-NETによる内容等キーワード調べ)

2020年度 2019年度 前年度比
奥能登広域消費生活センター
49件
24件
約104%増
石川県消費生活支援センター
1,031件
906件
約14%増

2020年度、当センターで受付したインターネット通販に関する相談は、おおよそ次の2パターンでした。

①偽サイトとは気付かずに注文したら、偽物が海外から届いたので返品したい。

②定期購入契約とは気付かずに注文してしまったので、返品解約したい。

トラブルにあわないためのポイント

では、トラブルなくインターネット通販を利用するには、どのようなことに気を付けたらよいでしょうか。

そのサイト、本物?

まずは、信頼できるサイトかどうかよく確認しましょう。

信頼できないサイトを見分けるポイント

□ ブランド品の値引きが極端
□ サイトのURLが不自然
□ 片言の日本語
□ ショップの住所表記が不完全で、電話番号は携帯のみ
□ 支払方法が銀行振込(前払い)のみで、個人名義

消費者庁のホームページでは、「悪質な海外ウェブサイト一覧」を公表しているので、参考にすると良いでしょう。

返品特約、確認した?

インターネット通販は、特定商取引法の「通信販売」に該当します。よって、クーリング・オフの対象ではありません。それは、消費者が契約についてよく考える時間が与えられているためです。

返品方法は、サイトに表示されている「返品特約」に従います例えば、「お客様の都合による返品は、一切認めません」というものでも有効です。

表示がない場合は、商品が到着した日から起算して8日間以内に返品の意思表示が事業者に到達することで返品ができます。ただし、返品送料は消費者が負担します。

必ず読んで、納得してから注文するようにしましょう

最終確認画面、しっかり確認した?

健康食品や化粧品などの通信販売で、「初回無料」や「お試し価格」の広告に惹かれ、思いがけず「定期購入」の契約をしてしまったというトラブルが増えています。

注文を確定する前に、「最終確認画面」をよく確認しましょう。

商品の内容は?価格は?支払い総額は?

「定期購入が条件です」などの記載はありませんか?

また、スマートフォンのスクリーンショットなどで、契約内容を保存しておきましょう。

【左図】最終確認画面の一例

定期購入の場合は、契約期間中の数量・支払総額を記載すべきところですが、この例では初回分の数量、金額しか表示されていません。

小さくて読みにくい、リンク先でないと確認できない、容易に認識できないほど離れた場所に表示されているなど、確認しにくい場合もあります。

 これらのことに注意して、安心安全にインターネット通販を利用しましょう。

 また、困ったときは、消費生活センターに相談しましょう。

 

参考
石川県消費生活支援センター「消費生活ガイド-かしこい消費者を目指して-」(令和3年2月第5版)

「奥能登広域消費生活センター便り」(7月1日発行)

「奥能登広域消費生活センター便り」(7月1日発行)を発行しました。

夏休み前に要チェック!未成年の消費者トラブルにご注意

「1回限り」のつもりが・・・
 健康食品等の「定期購入」のトラブル

動画投稿サイトで、ダイエットサプリメントが500円の広告を見て、販売サイトにアクセスし、1回限りのつもりで注文した。後日、商品が届いたが、その3週間後にまた商品が届き、5,000円の請求書が入っていた。販売業者に電話で問合せ、返品したいと申し出たところ、「返品は受け付けられない。2回目以降の商品代金は5,000円で、4回の購入が条件の定期コースのため、まだ解約できない。」と言われた。

このような、定期購入が条件となっている健康食品や飲料、化粧品の通信販売に関する相談が、年々増加しています。10~20歳代の若者が契約当事者になっている相談も多く寄せられています。契約当事者が10歳代の相談件数は、2018年は1,610件、2019年は6,306件、2020年は5,422件と、この2年で急増しています。(※)

トラブルに遭わないためのチェックポイント

<注文前>

  ✔ 定期購入が条件では?

  ✔ 返品できる?条件は?返品特約は確認したか

  ✔ 注文画面をスクリーンショットで保存

  ✔ 利用規約を確認したか

  ✔ 保護者の同意は得たか(未成年者)

  ✔ 「成人である」とウソをついていないか

<注文後にトラブルにあったら>

  ✔ 販売業者への連絡記録を残す

  ✔ 消費者ホットライン≪ 電話188 ≫に相談を

注文画面を、スクリーンショットで保存しておこう

※ 契約当事者が10歳代・20歳代の通信販売での健康食品等の「定期購入」に関する相談件数
  (2021年4月30日までのPIO-NET登録分)

 出典・参考

独立行政法人国民生活センター「若者向け注意喚起シリーズ〈No.3〉」
健康食品等の「定期購入」のトラブル-「お試し」「1回限り」のつもりが定期購入に!?-

親のクレジットカードで、オンラインゲームに高額課金!

小学生の息子が、家族共用のタブレット端末で、オンラインゲームの有料アイテムを次々に購入。総額150万円以上も課金していた。タブレット端末には、父親のクレジットカード情報が登録されていたままになっており、子どもが使う際も、利用できるようになっていた。

「オンラインゲーム」に関する消費生活相談は、年々増えています。

2020年に全国の消費生活センター等で受け付けた「オンラインゲーム」に関する相談総数は6,352件で、そのうち20歳未満の相談は3,746件と、過半数を超えています。(※)

特に、コロナ禍の臨時休校期間に相談が増加したことから、学校が休みの期間はより注意が必要です。

トラブルに遭わないためのアドバイス

✔ 子どもが使用するスマートフォンやタブレット端末、ゲーム機等から、クレジットカード情報を削除しましょう

✔ クレジットカードの利用ごとにメール等で通知されるよう設定し、日頃から状況を確認しましょう

✔ 携帯電話のキャリア決済を利用する際、パスワードだけではなく生体認証を取り入れるなど、子どもだけで決済できないようにしておきましょう

✔ 子どもが使う端末ではペアレンタルコントロール等を利用し、購入・支払いなどの制限をかけることも有効です

✔ プレイヤーアカウントの年齢を「子ども」に設定してプレイすることで、ゲーム会社やプラットフォーム事業者はプレイヤーが未成年であると認識するため、万が一、契約のトラブルに巻き込まれた場合は、未成年者取り消しが適用されることがあります

✔ 困ったときは、消費者ホットライン≪ 電話188 ≫に相談を

子どもが利用している端末の設定を確認しておこう

※ 「オンラインゲーム」に関する消費生活相談件数の推移(年齢層別)(2021年4月30日までのPIO-NET登録分) 

出典・参考

消費者庁「令和2年度 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告」
独立行政法人国民生活センター「子どもサポート情報 第167号」親のカードでオンラインゲームに高額課金!