カテゴリー: センター便り

「奥能登広域消費生活センター便り」(9月1日発行)

「奥能登広域消費生活センター便り」(9月1日発行)を発行しました。

ねらいは貴金属?

~訪問購入(買取)にお気をつけください~

「海外で困っている人を助けたいの で古着はありませんか?」と女性から 電話があり訪問を受けることにした。 自宅を訪れたのは男性で、古着をう けとった後、「私は貴金属の鑑定もで きるので、何かありませんか」と聞か れる。 「貴金属はありません」と断るが、男 性は居座り、脅す口調で話してきた。

トラブルにあわないために

  • 貴金属など、売る予定ではなかった物の売却を迫られても きっぱりと断りましょう。
  • 一人で対応せず、家族や周囲の人に同席してもらいましょう。
  • 買取業者から交付された書面で取引内容を確認しましょう。 もし、書面を渡されない場合は、交付を求めましょう。
  • 訪問購入では、消費者にクーリング・オフが認められています。

還付金詐欺が増加しています!
~ATMだけじゃない!ネットバンキングを使う手口にも注意~

 還付金詐欺とは、市役所、年金事務所等をかたって自宅の固定電話等に電話をして きて、税金や保険金等が還付されるなどと説明し、そのための手続きとしてATM等に 誘導するなどしてお金をだまし取る手口の詐欺です。

 2022年度の還付金詐欺の相談件数は、 過去5年間で最高となっており、トラブルにあ われている方の約95%が60歳以上です。

 近年、手口が多様化しており、ATMから振り 込ませる従来の手口のほか、インターネット バンキングを使って振り込ませる手口も見ら れます。

【事例1】
市役所から、健康保険の還付金があるのでATMへ行くようにと電話があった。

【事例2】
年金事務所と金融機関を名乗った電話があり、指示通りにATMをしたら振込をして いた。

【事例3】
インターネットバンキングで手続きをすると言われ、口座番号と暗証番号を伝えた。

相談事例からみる還付金の手口

  1.  役所等の担当者を名乗って電話をしてきます。
  2.  電話の中で消費者にお金が返ってくる話をします。 
  3.  役所等の担当者をかたる電話の後、金融機関の担当者をかたる電話がかかっ てくるなど、複数の人物が登場する「劇場型勧誘」も見られる。 
  4.  お金を受け取る手続きをするよう指示します。

アドバイス

  • 【お金が返ってくる】という電話は詐欺です。
  • 「お金を返すため必要」などと言われ、名前や住所、口座等個人情報を聞かれても、 絶対に答えたはいけない。
  • 不審な電話の対策として、防犯機能付き電話機の導入や、留守番電話機能、ナン バーディスプレイ機能などを活用する。
  • 不安を感じたら、すぐに家族・知人・警察・消費生活センター等に相談する。

「奥能登広域消費生活センター便り」(3月1日発行)

「奥能登広域消費生活センター便り」(31日発行)を発行しました。

成年年齢引き下げを前に​
~学校における消費者教育の現状~

 令和4年4月1日、成年年齢が18歳へ引き下げられます。

 学校での消費者教育の現状について、金沢大学教授・尾島恭子先生に伺いました。

 

 成年年齢引き下げを前に、今、学校教育では子どもたちにどのような力をつけたいと考えているのか、その実態はどうなっているのかについて紹介したいと思います。

 先に「消費者教育」について確認しますが、消費者被害防止教育(=騙されない自立した消費者の育成に向けた教育)と、消費者市民教育(=持続可能な社会をつくる未来のための消費者の育成に向けた教育)と双方が含まれます。学校教育においてはエシカル消費をはじめとした消費者市民育成の内容も多く入ってきており、双方の充実が求められているのですが、今回は「成年年齢引き下げ」に着目し、消費者被害防止教育に重点を置いた内容で進めていきます。

 学校の教育課程の基準となる学習指導要領は10年程度で見直されますが、直近の学習指導要領が目指す内容を整理した文部科学省のリーフレット「生きる力 学びの、その先へ」には、これから重視することとして消費者教育も挙げられていることが確認できます。

 

 文部科学省のリーフレット「生きる力 学びの、その先へ」

「自立した消費者を育むため、契約の重要性や消費者の権利と責任などについて学習します。」と記されています。

リーフレットは、文部科学省ウェブサイトからご覧いただけます。(左図は文部科学省ウェブサイトより)

「契約」の学習開始は中学校から小学校へ

 消費者教育は、教科としては社会科(公民科)や家庭科が中心となりますが、今回の改訂ではそれらの教科で消費者教育の内容は充実されています。その一つ家庭科では、例えば今までは中学校で学んでいた「契約」についても小学校から学ぶようになりました。その背景には消費者被害の低年齢化やキャッシュレス化の進行もありますが、早い段階から「契約」の知識を習得することが極めて重要となってきたことは間違いありません。また、高校家庭科においては、債券や投資信託、資産形成の視点についての学びが新たに追加されましたが、成年年齢引き下げにより高校生の段階から一般口座が開設できることからも、ますます契約の知識が重要となってきます。

  そのような中で、目まぐるしく変化する社会経済環境に教員はどのように対応できるのでしょうか。教員の多忙化が叫ばれる中で、教員自らが消費者教育の教材を開発したり、最新の情報を集めて生徒に伝えたりするのは負担が大きく困難です。そこで既存の教材を有効活用したり、外部講師を招いたりするのが最も効果的といえるでしょう。

関係機関との連携強化は、今が好機

 教材の活用については、一度教えるだけでは定着しないなど一層の工夫が必要となりますし、外部講師については、消費者行政と学校や教育委員会等の関係機関との連携が困難であるなどの課題も挙げられます。ただ、成年年齢引き下げを目前に控えた今、双方の連携を強化・拡充したいという調査結果や、外部講師も条件が合えば利用したいとする回答もあり、何かきっかけがあれば連携は可能であるとの方向性も見いだせます。

 学校現場と消費者行政の連携を強化できるタイミングは、成年年齢の引き下げにより「契約」の学びの重要度が一気に増す「今」かもしれません。

著:尾島恭子 金沢大学融合研究域融合科学系教授

新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止とした「消費生活セミナー」(2月22日予定)にてご講演いただく予定だった内容をもとに、このセンター便りのために書き下ろしていただきました。尾島先生、ありがとうございました。

 奥能登広域消費生活センターでは、消費生活相談員など職員が皆さまのもとへ訪問し、「出前講座」を行っています。消費生活に必要な知識や消費者トラブルへの対処法などを学び、消費者トラブルの未然防止にお役立てください。

詳しくは「出前講座のご案内」をご覧ください。

「奥能登広域消費生活センター便り」(12月1日発行)

「奥能登広域消費生活センター便り」(121日発行)を発行しました。

注文した覚えはないのに。この荷物はどうしたらいいの?

特定商取引法が改正され、令和376日以降、一方的に送り付けられた商品は直ちに処分可能になりました。

事例1 2020年度に多く寄せられた「送り付けマスク」の相談

「海外から注文した覚えのないマスクが届いた。どうしたらよいか。」

という相談が多く寄せられました。

一方的に商品を送り付けられても、事業者に対して金銭を支払う義務はありません。悪意があって商品を送り付けている場合、こちらから連絡すると代金を支払うように脅されるかもしれません。

事例2 断ったのに送り付けてくる「カニカニ詐欺」

強引な勧誘で魚介類を購入させる悪質な電話勧誘があり、以前から「カニカニ詐欺」などと呼ばれています。

断ったのに商品を送り付けてくる業者もいます。購入を承諾していないのに商品が届いた場合は、受け取りを拒否しましょう。できれば、送り主の名称と住所をメモしましょう。

もし受け取ってしまった場合でも代金を支払う必要はありません。

送り付け行為への対応は3つ!

①商品は直ちに処分してもよい

 注文していないのに一方的に送り付けられた商品は、すぐに処分できます。

 遠方に住む家族や親戚が注文して送ってくれたものだった、ということがよくあります。心当たりがあれば、確認してから処分するようにしましょう。

②金銭の支払いは不要

 一方的に送り付けられたとしても、金銭を支払う義務は生じません。

③誤って支払ってしまったら、消費生活センターへ相談

 消費生活センターでは、返還を請求するお手伝いができます。

 

対応に困ったら、すぐに相談!